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イタリアのコンクール体験記③優勝者記念コンサート&表彰式

③他部門&表彰式、優勝者記念コンサート この音楽祭(コンクール)は5日間に渡って開催されていて、最終日には表彰式と一緒に各部門の優勝者によるコンサートが開かれることになっていました。なので翌日からは練習室の空き時間を予約しつつ、他の部門の演奏を聴いていました。 参加者のレベルは様々でしたが、その中に必ずズバ抜けた才能の持ち主がいました。その度に感動し、びっくりしていました。 弦楽器部門では、友達になったポーランド人のヴァイオリニストとピアニストの演奏を楽しみにしていました。彼女はバッハの無伴奏と、バルトークのラプソディー、ルトスワフスキの作品を演奏しました。彼女の音を1音聴いた時、本当にびっくりしました。音質は繊細でありながらも、バルトークでの情熱的で力強い表現、魂のこもった音。なにより演奏する時のオーラが凄まじく、一瞬たりとも目と耳が離せなかったです。そしてアンサンブルとしても非常にクオリティが高く、息もぴったりで聴いていて気持ちが良かったです。本当に素晴らしくて、終わってから興奮気味に話しかけてしまいました。勿論1位は彼女でした。 彼女達は最終日での室内楽部門でも演奏していました。その時は以前わたしも演奏した事のあるシマノフスキのアレトゥーサの泉と、バルトークを演奏していました。バルトークは弦楽器部門で演奏した時の方が好きでしたが、ポーランド人によるシマノフスキの演奏は生で初めて聴いたので、とても印象深かったし、しっくりきました。彼らは室内楽部門でも満点1位を頂いていました。 他にびっくりしたのは、サックス部門の2人のイタリア人。凄く上手い人が出て来たなぁと驚いていたら、その次に出て来たもう一人のサックスプレイヤーが更に突き抜けていました!曲は現代曲、ベリオのセクエンツァ。1曲目は始めにパソコンからオスティナートとしてHの音を流す所から始まるのですが、その全てが現代奏法のとても面白い曲でした。聴いてる人は何が何だかわからない、というような曲かもしれませんが、非常に技巧的で、とにかく彼のキレが凄まじくぶっ飛んでいました。魅せ方も素晴らしかったです。この2人とも満点1位でした。 室内楽部門では他にも、またまたポーランドから来た他のヴァイオリンとヴィオラのデュオが素晴らしく、演奏曲の1つにアメリカでよく聴いていたヘンデルのパッサカリアがあったのですが、全く別の曲と思えるほど素晴らしい演奏をしていました。彼らも1位の満点を出していました。 最終日の表彰式&コンサートは地元のテレビカメラも入って、大々的に行われました。私は舞台上で表彰された後、ヒナステラのピアノソナタを演奏しました。満員のお客さんが演奏を聴いてくださり、とても嬉しかったです。

(写真が暗いですが、舞台は明るかったです) 他にも、他の参加者の素晴らしい演奏をもう一度聴く事ができて嬉しかったです。 ギターやチェロ、フルートやヴァイオリンソロ、ソプラノなどなど…。 このコンクールでは自分の楽器だけでなく、様々な楽器の演奏を沢山聴く事が出来るのが良いなと思いました。力を入れているのは室内楽部門のようで、色んな編成のグループが参加していました。アジア人が少なく、日本人が私しかいなかったのも良かったです。 ここで得た経験は、かけがえのないものとなりました。

全てが終わってホテルへ帰る時、ボランティアの学生達がネットで調べたと思われる日本語で話しかけてくれて、「スゴーイ」と言ってくれてなんだか嬉しかったです。 音楽は国境を越えると実感した瞬間でした。

(練習日に見た夕日)

(演奏会終了後。夜の広場) 翌日からは一人でローマとヴェネチアを観光しました。早朝のローマ行きの列車に乗るためにまた送迎で一悶着あるのですが…。美しいイタリアを旅して、沢山の輝きを得ました。観光については、またいつかアメブロの方に書きたいなと思います。

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